2024年8月5日月曜日

3. 日本国民への遺言 (山田さん ➀)

 私が尊敬する山田治男さんは、令和2年4月6日 97歳で永眠されました
 山田さんに最初にお会いしたのは47年前です。販売支店長から千葉副所長として赴任された山田さんが着任早々取り組まれたのは、所員500名との個別面談でした。毎日17時過ぎから3~4時間、一人20~30分の面談を約4か月間続けられました。当時人見知りだった私が『500人と話すのは大変でしょうね』と尋ねると、『所員は僕の息子のようなものだからね。みんなと話すのが楽しみだよ。』『ドアを開けて挨拶した瞬間に、ほぼその人が分かるよ』と、にこやかに話されたのが今でも印象に残っています。
  35年前に退職されたあと「小学生登校班の見守り隊」を皮切りに、市原市青葉台地区の福祉活動を牽引され、特に一人暮らしのお年寄りの交流・介護支援の福祉活動は、沢山の協力支援者を得て発展しています。そして特定非営利法人『市原市青葉台さわやかネットワーク』として、保健・医療・福祉/社会教育/まちづくり/子どもの健全育成等の幅広い活動 (=赤ちゃんからお年寄りまでいきいき!) が全国に紹介され、老人福祉のモデルケースとして全国から見学者が訪れるようになりました。
 その山田さんが、終戦後70年訴えてきた事は日本人のあり方」です。

かって僕はシベリアに3年間拘束され、人間生活とは到底思えない極限のシベリア抑留生活 (奴隷生活)を体験した。日本が忠実に守ってきた日ソ相互不可侵条約を、ソ連は日本の敗戦直前に一方的に条約を破り宣戦布告もなしに侵略し、60万人をシベリアへ強制労働力として連れ去った。 
先年中国の南シナ海諸島の占拠を国際司法は 『違法』と判決』したが、中国は『その判決は紙くずだ!』 とあざ笑った。これが世界の国が考える条約、国際法への認識で、いざとなったら紙切れで何の頼りにもならないと思っていなければならない。
 シベリアの冬は零下30度以下で、まともな食事も与えられない劣悪な奴隷生活で約6万人の日本人が死亡した。死者への尊厳は踏みにじられ、まるで餓死した家畜のような粗末な扱いだった。あの思いだすのも嫌な悲惨な境遇に再び日本人が陥らない為にはどうしたらよいか・・正しいことが当たり前に考え実行される日本にするにはどうしたらよいか・・をいつも考えて訴えてきた。 
しかし我が国民は、北朝鮮に拉致された100名以上の奪還や北朝鮮の核ミサイルの危機に殆どが関心が薄く、中国の日本併呑工作 (=日本を2050年までにチベット、ウイグル、内モンゴル自治区と同じ“日本自治区” にする陰謀の進行) 全く危機意識がない。
 野党もメディアもこの日本をどうしようというのか。また国会議員・官公庁や企業の不祥事が頻発する現代日本を見ていると、国民は大事なこの日本を本気で守り発展させる気があるのか?  僕は90歳を超えたが、このままでは死ぬに死にきれない』 と語調が強くなりました。 

 そして『平和ボケした大人はあてにできない』 と、退職後から現在も続けられているのが『新時代を担う子供たちへ=青葉台小学校での “シベリア抑留体験の語り部』です。

この語り部活動は30年以上継続されており、昨年2月には何と千葉県日教組教研集会で300人の教職組合員に『平和教育』 として講演されました。 恐らく彼らが意図した講話とは正反対の内容・結論だったと思いますが、全員静かに傾聴し、後日地元小学校教員から 『誰がこの国を守るのか と考えさせられました』と感謝されたそうです。

 今回は、その山田さんの講演後記 (H29出光OB誌より) を紹介します。

『この国を守るのは誰か』  (山田治男)

私は昭和20年1月に関東軍に入隊、終戦直前の8月中旬になって突然参戦してきたソ連軍と交戦、数日後に敗戦となり捕虜となりシベリアに抑留されました。そして平和の尊さについてシベリア抑留生活の体験を語り部として語り継いでいます。

 厳しい世界情勢の中、いつしか70年間も続いた平和の尊さを忘れた平和ボケの日本人が多くなっています。

 このため要請があれば進んで語り部として、毎年地元の青葉台小学校や姉崎高校、市内公民館、先には自衛隊習志野空挺部隊や、去る2月11日建国記念日に千葉県教職員組合青年教研集会 (千葉県教育会館大ホール・300名) で『平和教育』について講話しました。

 その内容は、『ソ連軍が日ソ不可侵条約を無視して、一方的に参戦したこと、ジュネーブ条約を無視した60万人の捕虜・強制労働生活の実態』 です。

体感温度マイナス30度以下の極寒の重労働、粗末な食料や民主化と称する共産主義教育、東京ダモイ(帰国)後のソ連宣伝を目的とした洗脳・日本人同士の論争等・・・古代の奴隷生活と同じ悲惨で屈辱的な捕虜生活は、戦争・敗戦によるものです。 このような戦争を回避し、平和維持の為の参考例として欧州の小国スイスについて話しました。

 スイスは、ドイツ、フランス、イタリア、ロシアなどの大国に囲まれ、人口700万人、面積は九州とほぼ同じです。過去には強国間の戦争に巻き込まれた反省から、永世中立国として世界中に宣言しています。 しかし日本のように平和を憲法9条任せや人任せにはしません。 ①男子は全員兵役義務があり、②主に精密兵器を輸出し、③世界各国の機構本部や赤十字・オリンピック本部等を設置し、各国首脳や経済要人が結集・交流するダボス会議を毎年開催しています。

 そしてスイス国民には、『自国を守るのは自分達だ』 という国防教育が徹底され、また国旗を大切にし、公共機関はもちろん、各自宅にも常に国旗を掲げています。このように日頃から精力的に努力し平和を自らの手で守っているのです。  若者への応援歌: 4. スイスと ウイリアム・テルに学ぶ

 この例を発表し『我が国を守るのは、私達日本人一人ひとりである』 との誇りと自覚を促しました。

 このような内容を話したのは、『入学式や卒業式で国旗掲揚や国歌斉唱を拒む先生の多い日教組教研集会』 での講演会だったからです。会場の正面には『教え子を再び戦場に送るな』のスローガンが掲げてありました。そのような異様な会場でしたが、全員静かに聴いて、最後は花束を頂戴して会場を後にしました。彼らも本当の戦争、戦争捕虜の恐ろしさを知り、口先で平和を唱えれば平和が来ると信じていることに少しは疑問を持ってくれたと思います。

 後日、地元青葉台小学校の参加者から、『誰がこの国を守るのか を考えさせられました』 と、好意的な感想を貰いました。
戦後 70年以上経過し、戦争体験者も少なくなっていますので、私は体力の続く限り、語り部として、要請があればどこへでも出かけて語り継いでいきたいと思っています。

 最後に『日本を取り囲んでいる 中国、ロシア、アメリカは、過去どういう残虐な大量殺戮を行って成り立った国家、民族であるか』の資料を提示します。 
 習近平主席が『中国5000年の偉大な歴史』豪語しますが、その実態は『歴代の王朝が権力維持の為に数千万人を粛清・虐殺した血塗られた歴史』で、近年 共産主義政権になり、その規模・残虐性は人類史上類を見ません。
 かって文化革命時の毛沢東は、『一人を殺したら殺人犯だが、一千万人を殺せば英雄となる』 と凄まじい考えを述べています。鄧小平は、毛沢東独裁の反省から集団指導体制に改革しましたが、今回の全人代会議で習近平は、毛沢東体制への回帰方針を明確にしました。
 
  今年の中国全国人民代表会議で、習近平の終身主席への道を賛成2970 反対0 と全会一致で採択し反対派を封殺しました。反対は絶対に許さない これが 『中華民共和国』の正体です。そして『人類最悪の4000万人の大量殺戮を行った毛沢東を目指し、終身独裁を憲法に書込ませた習近平』は、実質 ”皇帝” となりました。そういう共産党軍事独裁中国の脅威 を前にした私達日本人は、どう国民・国土を守り、平和な日本を将来も維持し発展させていくか を、国民一人一人が自分の切実な問題として真剣に考えるべき時です。
【 世界の残虐な大量殺戮 上位20 】
(出典:『殺戮の世界史:人類が犯した100の大罪』 マシュー・ホワイト) 
順位
事 件 名 (発生年)
死者数
第二次世界大戦 (193945
6600万人
チンギスハン侵略戦争 (1206~27)
4000万人
毛沢東:大躍進・文化大革命 (1949~76)
4000万人
英領インドの飢饉 (1820世紀)
2700万人
明王朝の滅亡 (1635~62)
2500万人
太平天国の乱 (185064
2000万人
スターリン大粛清 (192853
2000万人
中東の奴隷貿易 (7~19世紀)
1850万人
ティムール (13701405
1700万人
10
大西洋の奴隷貿易 (1452~1807)
1600万人
11
アメリカの原住民虐殺 {1492以降}
1500万人
12
第一次世界大戦 {191418}
1500万人
13
安禄山の乱 {75563}
1300万人
14
新王朝 (9~24
1000万人
14
コンゴ自由国 (18851908
1000万人
16
ロシア革命の内戦 (191820
900万人
17
三十年戦争 (161848
750万人
18
元王朝の滅亡 (134070
750万人
19
西ローマ帝国の滅亡 (395455
700万人
20
中国の内戦  192737194549
700万人
 ヒットラーのユダヤ人虐殺は合計575万人、この表では20位にも入りません。
 なお、ホワイト氏が指摘する日本の虐殺は島原の乱(37,000人)のみで比較にもなりません。東西軍合計20万人が戦った関ヶ原合戦の死者はこれ以下だったとしています。 私達日本人は世界の中で類を見ない、最も戦争・虐殺に縁のなかった平和な民族だと言えるでしょう。(毛沢東も周恩来も鄧小平も話題にしたこともない『南京虐殺20万人』 が、日本人にできる訳がなく、天安門事件以降の民主化運動弾圧から目を眩ます為の捏造事件です。 )

 しかし私達日本人が考える平和常識は、世界の常識ではあり得ません。
 山田さんのシベリア抑留は、上表7番目のスターリン大虐殺2,000万人の中の出来事です。 
 その更に上を行く中国は、権力体制を確立し維持するためには、何千万人を平然と虐殺する価値観・歴史を持った民族であることを片時も忘れてはなりません。
 左の図は1949年中華人民共和国が独立宣言した時の版図と周辺国です。当時『内モンゴル、チベット、ウイグル』 は独立国で、世界が朝鮮戦争に注目している間隙をぬって侵略し併合しました。そして大量の中国人を送り込み、悪逆な民族浄化・宗教弾圧を進めています。 
 かって日本が国家予算をつぎ込んでインフラ・教育等の充実を図った朝鮮併合とは真逆の侵略・圧政です。

 そして留まる事を知らない中国の覇権野望は日本へ、太平洋へと向かっています。
 平成7年、当時の李鵬首相は、『日本という国は40年後には無くなってしまうかもわからぬ』と発言しました。その後、 日本国が『日本自治区、東海省 と記述された"2050年極東マップ”』が、中国国内で拡散されています。(左図)
 

 私達日本人は、『歴代中国体制の中で、現共産主義政権 (毛沢東⇒習金平)は史上最大の危険な独裁体制だ』という事をしっかり認識して、山田さんの魂の叫びを心に刻み対処していく事が必要です。そして、国民一人ひとりが自分の最重要な生存の問題として、日本の安全保障・平和を真剣考える必要があります。

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