不世出の大宰相、安倍元首相が凶弾に倒れて2年が経過ました。今思い返しても深い悲しみと無念を感じます。当時の世界の首脳、特に安倍さんと真反対の独裁者からも寄せられた「痛切な弔意・哀悼」に、安倍さんが果たしてこられた世界危機打開へのリーダーシップの敬意と感謝、その偉大な指導者を失った絶望感がにじみ出ています。(本文の最後に掲載しています)
安倍さんを失った日本は混迷を深めていますが、私達一人ひとりが、安倍さんが示しやり残した「戦後見失った日本人の誇り、世界平和に向けての重大な役割」を引継ぎ担う責任があります。そしてその道標は、2015年8月14日の『戦後70年首相談話』に遺言としてしっかりと残されています。これからは私たち自身が安倍さんの志の実現に向けて力強く前進していきましょう!
『安倍首相 戦後70年談話』に思う 2015年8月22日
2015年8月14日、安倍首相は『戦後70年首相談話』を発表しました。
明治維新から150年、戦後70年の日本の歴史に基づき、『近代化を進め、世界平和を希求しながらも、世界を覆う白人国家による植民地化・経済ブロック化の包囲網の中で(孤立無援の東アジア解放・独立)戦争の道に進み、国内外に多大の犠牲を強いた事に痛惜の念を覚える。』と客観的な歴史観に基づいた納得度の高い談話でした。従来の村山首相談話などの
『日本が、ある日突然
軍国主義の怪物国家になり近隣諸国に理不尽な侵略を始めた』 という短絡・自虐的な首相談話等とは真逆で、またその内容は単に日本に留まらず、世界や全人類が現在・未来に対して背負うべき普遍的役割責任をも包含する格調高いものでした。
安倍首相は、かねてから『美しい日本を取り戻す』、『戦後レジームからの脱却』 を掲げてきました。新聞に掲載された談話全文を何回も読返し『この難しい大事な時期に、日本が素晴らしい首相を得ている事は本当に幸運であり有難い』 と心から感謝の念を強くしました。
私達は本談話を基に、日本や世界の歴史を深く理解し、自分が果たすべき役割・責任を担い実践していく事が重要なのではないでしょうか。
誠に僭越ながら、今回のブログは首相談話の心に残るフレーズを掲載しました。本来全文を通して読まないと安倍首相の正確な趣旨は伝わらないと思いますが、備忘録・抄録として活用していただければ幸甚です。
【安倍首相 戦後70年談話 要旨】
●戦後70年を迎えるに当たり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、20世紀という時代を心静かに振り返り、その歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければならない。
●百年以上前の世界には、西洋諸国を中心にした国々の広大な植民地が広がり、西洋中心の植民地支配への危機感が日本近代化の原動力となった。日露戦争は多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけた。
●第一次世界大戦で一千万人以上の戦死者を出した悲惨さに、戦争違法化の潮流が生まれ日本も足並みをそろえた。しかし世界恐慌後の経済のブロック化で打撃を受けた日本は孤立感を深め、力の行使による解決を試み、国内政治システムはその歯止めたりえなかった。
●日本は次第に「国際社会が築こうとした新しい国際秩序への挑戦者」 となっていった。進むべき針路を誤り戦争への道を進み、国内外の数多くの人々が犠牲となり、70年前に敗戦した。何の罪もない人々に計り知れない損害と苦痛を与えた事実の前に断腸の念を禁じ得ない。
●これ程までの尊い犠牲の上に現在の平和がある。これが戦後日本の原点だ。
●二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。 事変・侵略・戦争、いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては用いてはならない。植民地支配から永遠に決別し、全ての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。 先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国はそう誓った。
●自由で民主的な国を作り上げ、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきだ。 そう誓って堅持してきた70年間に及ぶ平和国家としての歩みに静かな誇りを抱きながら、この不動の方針をこれからも貫いていく。
●国内外に斃(たお)れたすべての人々の命の前に深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに永劫(えいごう)の哀悼の誠を捧(ささ)げる。
●わが国は先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫(わび)の気持ちを表明してきた。その思いを実際の行動で示すためアジアの平和と繁栄のために力を尽くしてきた。こうした歴代内閣の立場は今後をゆるぎない。
●戦後600万人を超える引揚者が無事帰還でき、日本再建の原動力となった。中国に置き去りになった3000人近い子供達が彼の地で無事成長し再び祖国の土を踏めた。また米英蘭豪などの元捕虜の皆さんが長年にわたり日本を訪れ互いの戦死者のために慰霊を続けてくれている。 その寛容の心によって、日本は戦後国際社会に復帰できた。
●戦後70年にあたり、我が国は、和解の為に力を尽くして下さった全ての国々、全ての方々に、心からの感謝の気持ちを表したい。
●日本では戦後生まれの世代が8割を超えた。 あの戦争には何ら関わりのない子供たちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならないが、それでもなお、日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければならない。
●我が国は、20世紀の戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去をこの胸に刻み続け、そうした女性たちの心に寄り添う国でありたい。女性の人権が傷つけられない21世紀とする為に世界をリードしていく。
●我が国は、経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去を胸に刻み、如何なる国の恣意にも左右されない、自由で公正で開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄をけん引していく。繁栄こそ平和の礎だ。
●我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値をゆるぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」 の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献していく
【世界の首脳が寄せた追悼の辞】 Will 9月特集号より
〇故エリザベス女王 (英国王室)
「安倍晋三元首相が突然、悲劇的な死をお迎えになられたという報に接して、私達家族は深い悲しみに暮れています。 2016年にイギリスをご訪問なさった際に、安倍首相ご夫妻にお会いできたことはよき思い出です。安倍氏が日本を愛し、イギリスとの絆をさらに深めたことは明らかでした。このような困難に際して、安倍首相のご家族と日本皆様に、深いお悔やみを申し上げたく存じます。」 (弔辞)
〇ウィリアム王子(英国王室)
「安倍晋三元首相が亡くなられたことを知り、深く悲しんでおります。本物の政治家であり、献身的リーダーでした。2015年に訪日した時、私に与えて下さった暖かさ、寛大さを決して忘れないでしょう。私の思いはご遺族と日本の人々と共にあります。」
〇ドナルド・トランプ(前アメリカ大統領)
「安倍晋三氏がどれ程優れた指導者だったかを知るものは、まだ少ないですが、歴史は公平であり、やがて誰もがそれを知るようになります。安倍氏には独特の、しかも飛び抜けた統率力があり、素晴らしい祖国である日本を愛し大切にしてきました。安倍氏の不在は大いなる悲しみを生むでしょう。彼のような人物が現れることは決してありません。」
〇バラク・オバマ(元アメリカ大統領)
「友人であり、長年一緒に仕事をした安倍晋三元首相が暗殺された事に、衝撃と悲しみを覚えます。安倍元首相は、日本および日米同盟の双方に尽くしてこられました。日米同盟を強化するために行った活動や、広島と真珠湾を一緒に訪れた感動的な経験、そして安倍明恵夫人が私とミシェルに見せてくれた優しさをずっと忘れないでしょう。ミシェルと私は、この痛ましい瞬間に、日本の人々に深い哀悼の意を表します。」
〇アンゲラ・メルケル(前ドイツ首相)
「かっての長年の同僚である安倍晋三氏に対する恐ろしい暗殺の知らせに、非常に驚愕し失望しています。私達はお互いに信頼を寄せて、緊密に協力し合ってきました。私は安倍氏と一緒に仕事をするのが楽しみでした。私の気持ちは安倍氏、昭恵夫人、そして彼の家族とともにあります。」
〇ジャスティン・トルドー(カナダ首相)
「安倍晋三氏の暗殺は、信じられないほどの衝撃的な出来事で、私は深い悲しみに包まれています。世界は高い志を持った人物を失い、カナダは親しい友人を失いました。奥様の明恵さんと日本の皆さまと共にご冥福をお祈りいたします。 本当に寂しくなりますよ、安倍さん」
〇ナレンドラ・モディ(インド首相)
「親愛なる友人である安倍晋三氏の悲劇的な死に、言葉では尽くしかねる衝撃を受け悲しみに暮れております。安倍氏は世界を代表する政治家であり、卓越したリーダーであり実務家でした。安倍氏は日本と世界をよくするために人生を捧げました。」
〇蔡英文(台湾総統)
「台日関係の発展のために尽くした安倍晋三元首相の貢献に感謝します。安倍元首相が、かってピアノで弾いた東日本大震災の復興支援曲 『花は咲く』 が、困難に立ち向かい、支え合って生きていこうとする気持ちを描いているように、台湾と日本も努力を続け、もっと多くの花を咲かせていきたいと願っています。」
〇ウラジミール・プーチン(ロシア大統領)
「尊敬する安倍洋子様、昭恵様 あなたの御子息で、夫である安倍晋三氏のご逝去に対して深甚ある弔意を表明します。犯罪者の手によって、日本政府を長年率いて露日国家化案の善隣関係の発展に多くの業績を残した傑出した政治家の命が奪われました。私は晋三と定期的に接触していました。そこでは安倍氏の素晴らしい個人的ならびに専門家的資質が開花していました。この素晴らしい人間についての記憶は、彼を知る全ての人の心に永遠に残るでしょう。」
〇習近平(中国国家主席)
「安倍元首相は在任中、中日関係の慶全を進めるために努力し、有益な貢献をした。突然の死を悲しみ惜しんでいる。新時代の要求に合わせた中日関係の構築について、重要な共通認識に達した。」
『世界葬』 の様相を呈している偉大な政治家の『国葬』に対して、肝心の国内で冷ややかな反対論が過半数を超えたことは誠に情けなく「日本人は不見識で理解不能」 のそしりを受けても仕方がない恥ずかしい事です。
反日新聞や低劣なテレビは、きっぱりと見切りをつけ、是非良心的な月刊誌(正論、WiLL,Hanada等)の 『追悼特集号』 を購読し、国内外論客の安倍評価・足跡をいま一度知って欲しいと思います。
安倍元首相は、前人未到の多大な足跡を残されましたが「拉致被害者全員救出」「憲法改正」の志半ばで倒れた無念さは計り知れません。「殺害された日にも、拉致被害者救出のシンボル青ピンをしていた。ピンをしていない彼の姿を筆者は見たことがない」(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版7月11日)
先年逝去された 『知の巨人 渡辺昇一氏』 は、この歴史的談話を次のように絶賛されています。『この未来志向の談話があれば、新たな首相談話は不要である。これからの日本人は大手を振って国際社会への貢献を果たすべきだ!』
現在 世界は混迷を深め、ロシアによるウクライナ侵略と核戦争・エネルギー・食糧危機、独裁国家中露の連携、中国の軍拡と台湾侵攻・日本存立危機、北朝鮮の核開発加速、対する同盟国アメリカ社会分断化・弱腰・衰退、そして安倍元首相亡き後の日本の混迷・・今こそ私達日本人は、一人一人が戦後GHQ洗脳呪縛から目覚め、しっかりと自立し、自らの頭で考え行動する 『本来の日本人』 として生まれ変わる最後のチャンスです。
以前から日本人の国際認識・安全保障感覚は、『ダチョウの平和=砂に頭を突っ込んで身に迫る危機を見ないようにして安心している』 と揶揄されています。 平時ならいざ知らず、獰猛なライオンやオオカミがまさに飛び掛かろうとしている危機的状況下の昨今「専守防衛、憲法9条の戦力放棄では、あっという間に猛獣の餌食になってしまう」 ことは、ロシアのウクライナ侵略で日本人全員が思い知ったはずです。しかしそのことを何十年も訴え脱却させようとして命をかけて戦ってきた安倍さんの死を嘲笑う品性下劣な朝日・毎日・東京新聞とその愛読者たち、そして安倍さんを支持しながらも声を出さず憲法改正などの国家存立危機の重要課題に向き合わない国民たち・・
私達日本人は、この危機的状況を『満身創痍・瀕死の病床』と捉え、自由や人権や平和を踏みにじろうとする人類の敵から我が身や同朋を守るために、安倍さんの「70年談話」を胸に刻み、必死の努力を開始し、仲間と連携し、世界の同志と心をひとつにして戦っていこうではありませんか。
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