【令和6年南魚沼市の城内・五十沢小学校コンサートより】
急に冬景色となった11月18,19日、南魚沼市の三つの小中学校で、山内達哉氏と音楽仲間のコンサートがありました。達哉さんが子供たちに語り掛けながら名演奏を届けるこの演奏会を聴きたくて、私は3年前から追っかけ状態です。(しかし一昨年、昨年は小学生限定で大人は入場できず、代わりに別のコンサートが設けられていました。今年はその時間をもう一校増やして3校での開催、父兄や私などのファンも聴けるようになりました。)
このコンサートは三年前、南魚沼市の郵便局長が『冬は豪雪で家に閉じこもる子供たちが、コロナ禍で全く学友たちとの交流ができず卒業式を迎える。彼らの心の残る贈り物は出来ないか・・』と友人の山内達哉氏に相談したことがきっかけです。「それならば」と令和4年2月2日に「南魚沼市立 上田・塩澤小学校卒業記念コンサート」が開催され、子供たちに大きな感動の贈り物となりました。(しかしこの日は2m近い大雪で開催が危ぶましたが・・)そしてこれが大好評だったことから、その年から、毎年秋2~3の小中学校で開催されることになりました。
私はこの素晴らしい逸話を聴き「是非山内さんと子供たちとの交流演奏会を聴きに行きたい!」と、南魚沼在住の関川忠雄さん(長年八海山の山岳救助隊をやっておられる方)と一緒に毎年聴きに行きました。次の写真は令和4年秋の石打小(左)、中之島小(右)です。演奏者たちの手にある袋は、この子供たちが学校で育て収穫した「日本一美味しい南魚沼中之島小のお米」です。
そして今年は城内小学校と五十沢小学校の2回の演奏を聴く幸運を得ました。今回の2小学校は南魚沼市の奥地にあります。
城内小学校は明治7年設立の歴史があり、教育目標は「やさしく かしこく たくましく」です。やさしい言葉では「にこにこ
笑顔・親切」「はきはき 表現」「どんどん がんばる」ということでしょう。
五十沢(いかざわ)小学校は全校生徒が170名で元気一杯の生徒達です。「自分で考え 決めて 進んで行動する子どもの姿」を目指して教育活動を行っています。
両校ともみんな明るく礼儀正しく、「ジブリメドレー」が始まると、すぐにリズムに乗り手拍子とスイングが始まり、みんな音楽を楽しんでいました。
3年間のコンサートの主力は次のメンバーです。
ヴァイオリン 山内 達哉さん
ピアノ 小堺 香さん
ベース 西村 友貴さん
ギター 青木 将さん
マリンバ 小野塚 桜子さん
パーカッションは地元の方(すみません。名前を忘れました)
マリンバの小野塚桜子さんは初回から参加。桜子さんは東京育ちで国立音楽大卒業後、南魚沼市大里に在住、ピアノ・マリンバ教室を開いて音楽のすそ野を広げられています。
冒頭のマリンバ独奏「白鳥」、その優しい音色で子供たちは一気に素晴らしい音楽の世界に引き込まれました。マリンバの鍵盤をたたくマレットを片手に2本ずつ4本持ち、それを自在に操りながら美しい音楽を紡ぎ出す桜子さんに、みんなびっくりしながら聴きほれました。
そして第二ヴァイオリンに、若い魅音ちゃんが初登場です。
高校1年生の魅音ちゃんは、この夏スコットランドのエジンバラに2か月留学して帰国したばかりの可愛いミュージシャンです。古都エジンバラはストリート演奏が盛んで、魅音ちゃんもチャレンジしてきたそうです。今回は「アニーローリー」と「リベルタンゴ」を見事に演奏してくれました。
またヴァイオリンを触ったこともない6年生に演奏法を優しく教えていました。「僅か5歳年上の優しいお姉ちゃんが名演奏を聴かせてくれる!」と子供たちは目を輝かせていました。この中から将来のヴァイオリニストが生まれるかもしれませんね
『6年生男女一人ずつヴァイオリンレッスン』
どちらの小学校も、こんな演奏会を聴くのは初めて。まして「ヴァイオリンを触ってみたい人手をあげて!」と言われても互いに目くばせ・・でもしばらく待つと勇気のある子が手をあげます。その子らに年の近い魅音ちゃんが、ヴァイオリンの持ち方から弓の持ち方まで優しく教えます。そして弦は抑えず第4・3弦の解放弦でG音とD音だけを弓の引き押しで出す練習を続けているうちに・・山内さんがそれに合わせて引き始めたのが「パッヘルベルのカノン」、ちゃんと第2ヴァイオリンの伴奏になっているのです!
初めての舞台で一生懸命弾いた4人の子どもたちの感想は『思った以上に難しかった!』
山内さんはそれに終わらせず『けど・・』と話しかけると4人が全員『・・けど楽しかった!』とニッコリ笑顔で答えました。・・これが山内さんの音楽なのです!初めての子が音楽をとても身近に感じ、豊かな心にさせてくれるのです。
五十沢小学校の校歌
まさに校歌の通りに子供たちが育っていると感じました。特に3番の歌詞が心を打ちます。
降り積む雪を友として
稔りの郷土を守りつつ
平和の地球の輝きを
育てて永久に美しく
伸びよう五十沢小学校
城内小学校にも五十小学校にも、この二宮金次郎像が子供たちを見守っていました。その姿から教えられるのは「刻苦勉励」、道理で子供たちはみんな大声で挨拶し、礼儀正しく明るく元気です。またこの奥地の小学校に南魚沼市教育委員長が来て一緒に演奏を聴いていました。
郵便局長会の皆さんはじめ、南魚沼市の方々が、子供たちの健全な成長にとても力を入れているのが分かります。(かって全国の小学校にあったこの金次郎像は、都会では撤去されほとんど見かけなくなりました。私達はいま一度、地方の教育に見習う必要がありますね)
稲・柿・蜜柑などの実りの秋、収穫の秋が終わり、遅い晩秋からいきなりの寒波襲来で山々は雪化粧です。これから長い豪雪の冬がやってきます。一気に山裾まで雪化粧です。この奥の八海山や巻機山や越後駒ケ岳は猛吹雪でしょう。本格的な冬山が始まりました。でも南魚沼の人々は「大雪の年は、日本一のお米が更に美味しくなる!」と屈託なく自慢します。
またこのあたりの中心街は塩澤です。江戸時代「塩澤宿」は佐渡金山で掘り出した金を江戸へ運ぶ北国街道の宿場町として、また雪国特有の織物の産地として発展してきました。平成22年、地域住民の取り組みにより、雪国特有の雁木の街並みを再現し全国から注目されています。また江戸時代ベストセラーとなった「北越雪譜」の作者 鈴木牧之(塩澤宿出身)にちなんで「牧之通り」と命名されています。下段左は銀行ですが看板は「両替」、下段真ん中は塩澤郵便局です。
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