イラン戦争から2カ月、ホルムズ海峡が封鎖され世界石油危機となっている中、4月28日に日本のVLCC ”出光丸” が初めて海峡を通過しました。
53年前の「第一次オイルショック」では、世界中が深刻な石油危機となり、国際原油価格は3カ月で約4倍に高騰しました。石油資源を持たない日本は、その教訓に基づき昭和49(1974)年に石油備蓄法を制定、本格的石油備蓄基地第一号として苫小牧市静川に「北海道石油共同備蓄基地」が建設されました。その後全国に計10か所の本格的な国家石油備蓄基地が作られ、現在 日本消費量の245日分、約4,770万klの原油および石油製品が貯蔵されています。つまり日本は需要90%以上のホルムズ海峡経由原油がゼロになっても、8カ月は持ちこたえられる訳です。
こういう仕組みを53年も前に確立し、いつ起きるか分からない国家存続危機に備え、「備蓄基地機能を遺憾なく発揮するよう日々訓練、出荷すべき時に安定確実に出荷できる設備管理(べき動管理)」に黙々と取り組んできた備蓄基地勤務の皆様に、心から敬意を表し感謝します。
実は私は、11備蓄会社のリーディング・カンパニーとして牽引する「北海道石油共同備蓄」に平成15(2003)年から3年間 勤務していました。今回の危機に対して、元同僚が「備蓄原油の緊急放出重責」を担い、日本の経済危機回避に尽力してくれていることに感謝し、誇りに思います。
今回の石油危機は長期戦となる事を覚悟し、国家的抜本的対策が必要です。
歴史を振り返ると、第二次世界大戦以前の中東石油利権は西欧(白人社会)が支配していました。 大戦後石油業界はメジャー(国際石油資本)に支配され、イランの石油資源は英国のアングロ・イラニアン(現BP)管理下で、イラン国民は全く恩恵を受けていませんでした。これに反発した当時のモサデク政権は1951年に石油の国有化を宣言しました。しかし英国は国有化を認めず、ペルシャ湾に軍艦を派遣して海上封鎖、イタリアのタンカーが拿捕される国際事件が起きました。
戦後日本で、外資と連携しない民族系の経営を進めていた出光佐三氏は、熟慮の末『①窮地に立つイランの救済、②メジャーへの反発、③石油の安定確保』ー の観点から、イラン石油輸入を決断、「日章丸」を神戸港から極秘裏に出港させました。日章丸は無線を切るなどしてアバダン港に入港し、ガソリンと軽油2万2000キロリットルを積み込み、英軍の監視をかいくぐり、昭和28年5月9日、無事に川崎に帰港しました。その直後、英米両国はCIAを使ってモサデク政権を転覆しパーレビ国王体制を樹立しました。 こういう歴史的経緯を経て、現在の米・イランの凄まじい敵対関係が始まりました。
それまでのアメリカ文化の模倣は否定され、厳格なイスラム規範を強要復活させ、裁判ではシャリーア(イスラム法)を適用、映画や文学、絵画もイスラム教義に沿ったものに限定、女性に教育は不要とされ 外出時はヘジャーブ(頭髪と肌の露出をさける衣服)の着用が義務づけられるなど、宗教色の強いイスラム原理主義政治が展開されることとなり現在に至っています。
「アメリカを追い出しイスラム原理に基づく統治にする」と言いながら、結局は全国民9,000万人の自由と人権を奪って、全人口の4%に過ぎない聖職者や軍人(革命防衛隊)が支配し特権を独占する最悪の独裁国家となってしまいました。国民の平和と幸福をもたらすどころか、以前にも増して貧困と恐怖のイランとなってしまいましたが後の祭りです。それだけでなく世界のテロ組織に武器・金銭支援を行い世界中の政権転覆を目指す恐ろしい国家です。日本のメディアはこの重要な背景を全く報道しません。
最近では、人権迫害や貧困への抗議デモに対する革命防衛隊の弾圧は過激さを増し、数万人の犠牲者を出すに至り、世界へのテロ輸出に対する国際的非難を受け孤立を深めていました。
こういう日本の国家存亡危機に、高市首相の与党が単独315席を獲得し、思い切った施策が次々発出されています。「命を懸けて日本の為に働きぬく高市首相」で本当に良かったと思います。 国民の圧倒的支持を得て、自信をもって画期的な政策を進め、今回の危機にも即座に1リッター当たり48円の補助金支給を開始し、16日から民間備蓄、24日から国家備蓄の放出を始めました。私の近所のスタンドでは、一時190円/L以上だったガソリンが、今日は会員価格150円に収まっています。
私も高市首相や、北共備の皆さんに負けぬよう、老体ながら「安全安心で暮らしやすい地域社会つくり」の為に、さらに精進・邁進したいと決意しています。またこれを機会に、日ごろ注目を浴びることのない「石油備蓄基地」、そこで働く人々・・「本当は発生して欲しくない国家エネルギー危機の出荷すべき時に出荷する(べき動管理)、常にモチベーションと設備管理を維持向上させる」という本当に根気のいる大変な仕事に、黙々と取り組んでいる奇跡の仕事人たち」について、数回にわたって紹介いたします。







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