2024年4月3日水曜日

1. 消える世界神話、生続ける日本神話

 歴史学者のアーノルド・トインビーは、「滅亡する民族の共通点」 を3つ指摘しています。我が国は全て該当しているように思いますが、皆さんはどう思われますか?

 ➀自国の歴史を忘れた民族は滅びる

 ➁全ての価値を物やお金に置き換え、心の価値を見失った民族は滅びる

  ③理想を失った民族は滅びる 

1.世界の各国の歴史一覧

次の表は、世界の国々・王朝の歴史です。この表から分かるように、『有史以前から途切れなく続く歴史を持つ国』は、万世一系の皇室を中心とした日本しかありません。



 よく『中国5000年の歴史』と耳にしますが、歴史的に中国と言う国はなく、歴代王朝は夫々何の関連もありません。それどころか前王朝は完全滅亡と同時に一族郎党が虐殺されています。中国大陸を支配したのはその時々の異民族(唐=鮮卑、元=モンゴル、清=満州族)や、漢族庶民のならず者(漢の劉邦=やくざの親分、明の朱元璋=乞食坊主)です。現 中華人民共和国は、歴代最悪の非道な暴君=毛沢東が1949年に建国した73年の歴史しかない新興独裁国です。
 また世界の警察国家を自任してきたアメリカ合衆国でさえ、先住民2,000万人以上を虐殺し 黒人奴隷を使って発展した、高々300年にも満たない歴史しかありません。


元々日本人は、3000年皇室を中心に” を大事にしてきた世界無比の民族」です。戦前は「古事記」「日本書紀」を基にした日本の歴史は全国民の常識で、重要な故事は小学生でも熟知していました。それを先の大戦で勝利した高々建国250年の米国は日本の想像を超えた強さ=精神力は、日本の悠久無比の歴史にある」として徹底的に破壊しました。「古事記・日本書紀」は教科書・国民意識から排除し、左翼化させた文部省・日教組により「神話・記紀の否定=考古学万能主義」とし、神話の世界が現代につながっている稀有な世界唯一の歴史を持つ日本』であることを徹底的に否定しました。その結果、日本人は世界で一番情けない 『アイデンティティを喪失した国民』 となってしまいました。この77年続く『戦後レジュームからの脱却』に真正面から取組み、更に地球俯瞰外交で 『信頼と正義の世界平和・発展』への道筋をつけたのが安倍元首相です。

人類史上稀有で偉大な政治家として尊敬・感謝し、その『悲劇の死』を世界中が悼み惜しんでいます。しかし肝心の日本人が視野狭窄で枝葉末節にこだわり、国内の大新聞や公共放送や一般国民までが世界の偉大なリーダーを軽視し貶めているのは、誠に恥ずかしい事です。

しかし考えてみれば、GHQが日本に占領政策を強いたのは高々5年間です。サンフランシスコ講和条約で独立を回復したあとの73年間は、日本人自身が自ら大事な自国の歴史を軽視し忘れ去った。自虐史観に安住している』 のであり、現在の情けない国民性は日本国民自身の責任です。

それでは  日本人が目覚め、日本を取り戻す のは難しいことでしょうか?  知の巨人:故渡辺昇一氏は、『ちょっとした視点の転換で、世界の中での日本の奇跡的な歴史を自覚できる』 ことを教えています。

 (渡辺昇一 日本の歴史古代編「現代まで続く日本人の源流」より) 


2.「アガメムノンと神武天皇」 の違いに目を向けよう

 私(渡部氏)が30歳のころに(昭和30年代前半)ドイツ留学した折、ドイツはすでに力強く復興しており、日本人の私には自慢できるものが殆どなかった。ある時天皇の事を聴かれたので「戦前・戦中・戦後も同じ方が天皇でいらっしゃいます」と答えたところ、相手は非常に驚いた。(西欧では大戦争敗戦後は国のトップは必ず追放されるか殺される。) 私はそれにヒントを得てこういうことを言った。


「トロイ戦争の時のギリシャ軍の総大将であったミケーネ王アガメムノンは、人間の世界の王ですが、アガメムノンの系図を辿ると、その祖父の祖父あたりがギリシャ神話最高神のゼウスになります。もしもゼウスの血を引くアガメムノン直系の王家が現代もギリシャに続いているとすれば、それは日本最高神天照大神の孫の孫である神武天皇の直系である日本の現代の天皇と同じことになります。すると西欧の人々は、本当に誰もがびっくりするのである。

神話の時代から王家が現在も続いているー これは文明国ではとっくに失われた現象で、ギリシャでも神話の時代は途絶えてしまっている。世界に類を見ない日本の歴史の特徴は、神話の時代に根を持つ王朝が、今も絶えることなく続いている事なのである。

それは神話の持つ意味が「ほかの国の神話とはまるで違う」ということである。他の国の神話なら、歴史時代以前だからと切り捨てることができる。しかし日本の場合は、神話を省いてしまうと日本の歴史の一番大事な部分が理解できなくなってしまうのである。

戦前の代表的歴史家だった牧野由之博士が東京大学での講義内容をまとめた『日本史講話』 は1018ページの大著であるが、第一章18ページを使って神話の骨格を述べ『こういう伝承があって、神武天皇から歴史時代に入った』 という書き起こしになっている。これは誠に的確で大事なことで、私は現代の日本史の教科書もそういうであるべきだと思っている。

Identityとは・・・ 個人がさまざまな変化や差異に抗して、その連続性、統一性、不変性、独自性を保ち続けることをいう。 1950年代に社会心理学上の用語として、アメリカの精神分析学者EH・エリクソンが初めて提唱し広く人間諸科学のキーワードとして定着した。彼によれば、アイデンティティとは 「自己確立、自分固有の生き方や価値観の獲得」 にほかならない。


3.初代天皇『神武天皇』と、即位記念の橿原神宮


『神武天皇』は、天照大御神の孫の孫で、東征により大和を平定した日本国の創始者・初代天皇です。山・海といった大自然の神々の系譜などのあらゆる神々を身内に取り込み統合しました。国家統合の戦いが終わり橿原の地で即位される際に次の「橿原建都の詔(八紘一宇)」を宣言されます。 


「八紘(あめのした)を掩(おお)いて宇(いえ)と為せむこと、亦可(またよ)からずや」
 つまりは
「世界のすみずみまで、ひとつの家族のように仲良く暮らしていける国にしていこうではないか」という建国の理念です。この詔を編入した日本書紀が完成したのは720年で、実に1300年以上も前に、国民を「おおみたから」と呼んで慈しみ、自分より他人を思いやる利他の精神、絆を大切にする心や家族主義のルーツが記されていたのです。
 そして天皇即位から2700年経過した今でも、即位の地には橿原神宮が大切に祭られています。

4.アガメムノンと「アガメムノン神殿」


ギリシャ神話のアガメムノンは「トロイア戦争」に勝ったミケーネの英雄です。アウリスに集結したアガメムノンを総大将とするアカイア軍は、総勢10万、1168隻の大艦隊は、トロイア近郊の浜に上陸し、アキレスの活躍もあって、待ち構えたトロイア軍を撃退し浜に陣を敷きました。しかしトロイア軍は強固な城壁を持つ市街に籠城し、両軍は海と街の中間に流れるスカマンドロス河を挟んで対峙しました。『イーリアス』の物語は、双方に犠牲を出しながら9年が過ぎ、戦争10年目に差し掛かった戦いがクライマックスです。アカイア軍は巨大な木馬の中に兵士を潜ませて放置し、戦いを諦めた風に兵を引き上げます。いわゆる「トロイの木馬作戦」で、木馬は場内に引き入れられ、勝利に酔いしれるトロイア軍が酔いつぶれた夜、木馬から出た兵士は一気にトロイア軍を滅ぼします。


ミケーネ文明は紀元前1600年ころ勃興し、同1200年頃に滅亡しています。アガメムノンは、とうの昔に忘却され、その神殿も放置され朽ち果てた、ギリシャ神話の伝説の神・王でした。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿