2024年2月3日土曜日

9.新たな自己への旅立ち (元気度)

私達は多種多様な人間関係の中で生活しており、他者との交流を避けて生きることは出来ません。 特に大人になって仕事に就くと、上司・先輩・同僚・部下・お客様等々色々な人達との密接な関わりが必要となり、円滑な人間関係なしには一歩も前に進むことは出来ません。 その一人一人は、生まれも育ちも考え方も全て自分とは異なる人達ですから、中々上手くいかず、時には激しい葛藤に悩み苦しむことも少なくありません。

そういった苦しく厳しい局面から逃げず、相互理解を深めつつ前向きな一歩を踏み出して、共に建設的で共感できる人間関係を築いていけないものでしょうか? 

これは、あらゆる人が直面し悩む切実な願いです。

かくいう私も自分の職業人生を振返ると、上司や部下との葛藤の40年間だったな・・と痛感します。その色々な苦しい場面で出会った素晴らしい恩師・上司・先輩・友人・知人方から教えられた事や数々の教訓等により、苦しい悩みや難しい局面を乗り越える事が出来ました。 

これから社会に出る若者や、既に社会人となり色々な人間関係の中で悩み苦しんでいる人にとって『何からか解決・打開の手掛かり、身を守る武器になるものはないか・・』という思いから『新たな自己への旅立ち』をテーマとしました。 

本ブログを通じて 『交流分析(TA)』 に接して戴き、このTAは私達が遭遇する色々な『人間関係の齟齬・葛藤・悩み・苦しみ』 等を軽減し脱却・解決して新たな建設的人間関係を構築し、しがらみから開放され成長する強力な道標・武器となる筈です。 そして 『心の相談相手・友人、助言者』 として活用いただき、皆様方の更なる活躍・飛躍の一助として頂ければ、幸甚この上ありません。

なお本題名は、40年以上にわたり国内交流分析(TA)の第一人者だった 尊敬してやまない 故 岡野嘉弘先生(元社会産業教育研究所長)の名著 “新たな自己へのたびだち”によります。この本は残念ながら絶版となりましたが『是非入手して勉強したい』 という方がおられましたら、10数冊保管しておりますので、下記にメール戴ければお分け致します。⇒  hidechiyo915a@gmail.com

1.最上の人生を作る三つの力

私達の成長、輝かしい将来は、三つの力 【(1) 過去の重力、(2) 現在の推進力、(3) 未来の引力)】によってつくられます。

若し自分の過去が未来を作る (過去“を原因とする結果としての現在 の延長線上にしか未来はない) のだったら、あるいはそう思い込んでいたら、私達の未来は既に決まっており希望は持てません

しかし実際はそんなことはなく、世の中は既定路線で片付くものは殆どなく、良くも悪くも想定外のことだらけです。 従って、 もし未来に自分が描く良い結果(夢)を起こしたいと思ったら、その良い原因となる行動を今起こせば確実に実現できるのです。 これを『未来の引力』 と言います。


    過去 ・・・現在 ・・・・未来 
            原 因    結   果
                          良い原因    ⇒     良い結果

 しかし、『今まで生きてきた自分の延長線』 でしか将来・未来を見ない人が多いのは何故でしょう? それは、今迄生きてきた過去の出来事や経験は重い実感が伴っており、しかも過去は変えられないのに対して、未来の姿や夢は 実感がなく何とも頼りないからです。 従って殆どの人は、無意識的に自分の未来に対して『過去の経験に基づく金縛り』をかけて生きています。 これを交流分析では『今までの自分が無意識に形成した“人生脚本”』 と言います。 

(1). 過去の重力・・意識しないうちに形成される自分の“人生脚本”

  ① 心の三重構造(気質・性格・人格)

私達の心は、生誕から発達し、その形成段階は三つに分けられます。これを心の三重構造(=感情・思考・行動傾向) と言います。私達は普段、この三重構造の心に支配された心の動きを意識せずに、色々な感情を抱き、考え判断決断し行動しています。従って輝かしい未来を実現するためには、『客観的な眼で、自分の心の三重構造をしっかりと分析し把握する事』 が重要になります。

気質・・持って生まれた心の特性 一生変わらない)

性格・・12歳頃まで両親・兄弟等の影響で形成される心の特性

人格・・12歳以降、周囲の人間関係・環境の中で体験学習し身に纏う

    対処法・処世術別名『仮面(ペルソナ)』ともいわれる。















②元気度イメージライン分析(点から線への展開)

   私達は普段、『生まれた時から形成された自分の心の三重構造(人生脚本)を把握する事の重要性』 に気付かずに生活していますが、本当は『自分の心の働きの癖』 をしっかりと把握できていれば、人間関係で悩むことも少なくなり、より友好的でポジティブな人生を手に入れることができます。

その有効な分析手段が『元気度イメージライン分析』です。私達は、その時々の出来事や問題点・壁などに直面して悩み苦しんで 『どん底だ!』と嘆いたり落込んだりします。またうまく行った時は喜び『最高!』 とはしゃいだりします。そういった大きな出来事の時の気分を繋合わせたものが、『元気度イメージライン』です。そしてその出来事の時、『何故そうなったか、何が教訓となったか』 を突き詰めて考え、自分成長の大事な財産(過去の重力)とする人は、大きく飛躍する事ができます。参考までに、私が40歳台の時(今から約25年前)に作成した元気度イメージライン図(その後5057歳時見直し) を添付しますので、皆さんが作成する時のサンプルにしてください。

私達の性格や人格の形成に大きく影響するのは、0~12歳までで、特に0~3歳までが重要と言われていますが、この時期の事は殆どの人が記憶していませんので、ご両親や兄・姉さんなどにしっかりと聴いて作成すると良いと思います。

 ご自分の「元気度イメージライン」を作成する時は、次のシートを使用してください。変化の激しい時代ですので、将来の事は10~20年先までに留めておいた方が良いと思います。

 

(2). 現在の推進力・・私の心の形 (エゴグラム : 自我分析)

 ギリシャの哲人ソクラテスは『汝自身を知れ』と言っています。しかし生まれてきた  時から現在までの『“過去の重力” によって形成されてきた 本当の自分自身の心』を知る事』は困難なことですが、とても大事な事です。何故なら、輝かしい将来を築く為には、『過去のしがらみや金縛りから解き放たれた自由な心の自分』 が、冷静な判断力で確実な行動をスタートさせる必要不可欠だからです。これが 『現在の推進力』です。

交流分析では『過去と相手は変えられない。変えられるのは今ここにいる自分だけ(Here & Now)』といって、今現在を最も重視しています。その現在の『ありのままの私の心の形、弱み・強味』を可視化して把握できるのが『エゴグラム』 です。

詳細は、以前紹介した下の3項を熟読し、是非ご自身の現在のエゴグラム分析を実施してみて下さい。また1~3年ごとにエゴグラム分析を行い、その成長変化を確認するのも大事です。(興味のある方は、下のURLをクリックしてください)

6. あなたの心はどんな形ですか?

1. より良い人間関係作りの為に



(3). 未来の引力・・『将来ビジョンへのロードマップ』

『最上のものは過去にあるのではなく将来にある。過去に囚われたり、過去を懐かしむだけに終わらず、将来の夢を求めて努力しなさい』

実に含蓄のある名言です。その将来の夢、未来の姿を『単なる憧れや夢物語に終わらせない』 為には、その未来を『自分の将来ビジョン』 として、短期・中期・長期の計画(ロードマップ) を立てて、常に意識して行動していく事が重要です。

大學でのキャリア設計は、以上の3つの力(過去の重力、現在の推進力、未来の引力)を、しっかりと捉え、確実な努力の一歩を踏み出すことを目的にしています。

若い皆様も、ベテランの方、第二の人生を歩んでおられる方も、是非一度この3ステップでご自身の心を見つめ直し、もう一度人生設計を構築してみることをお勧めします

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