3月17日に市内病院で実施した角膜内皮移植手術は失敗、日大板橋病院で6月4日に再手術しました。10日に退院し順調に視力回復しています。術後1週間目検診で、角膜内皮押えガスは抜け仰向生活は不必要、2週間目には視力が裸眼で0.9と順調に回復、むしろ右目が白内障で少し暗く見えます。
第一回手術失敗後2か月半、色々手を尽くしても効果なく、摺ガラス越しで見るように不自由だったのが噓のようです。やはり最初の手術が重要で「難病・奇病は、名医・スタッフ・施設の揃った大学病院・大病院に行うべし」と実感しました。前回も今回も名医林先生ですが、前回は市中の「眼科総合病院の週一医師の立場」だったため、術後翌日からのフォローが日大からのリーモート指示による「角膜専門外医師の診察
& ガス注入」となり、連携が不十分だったと思われます。(医師側からは詳細説明がない為、患者側=私の分析・感想です)
(1回目)・・手術は市中浦和病院で林先生執刀、術後検査は毎日市中千葉病院(角膜専門外)、日大林先生へ検査結果送信&リモート指示(柏病院H先生ガス圧50、船橋病院S先生ガス圧60にて2回追加ガス注入。ガスは下から内皮を支える目的なのでガス圧10程度で十分なはずですが、なぜか高すぎるガス圧60を急封入したため角膜全体が膨張して、1時間後には70%の内膜が剥離し内側に巻き込んでいました。(結果的にはガス封入2回とも不要・過剰対応。船橋病院では直ぐに全ガスを抜きましたが何の説明もなく、後日林先生より再手術の必要性を告げられました。)
(2回目)・・大学病院入院により、林先生角膜専門医局チームで手術・術後ケアのカンファレンス対応が毎日十分にできた。林先生は毎朝経過診察。異常時の即応体制。術後の注入ガス圧も適切な正常眼圧10で行われ追加ガス封入は不要だった。
※「2回目成功の要因、1回目と2回目の違い考察」
➀「大学病院の角膜専門医局チーム」による丁寧な手術が行われた。
➁移植内皮をデスメ層に密着させる為の 両層間の残留内液を押出す作業が丁寧に行われていた。
➂執刀の林先生も、気心合う医局チームで落着いて丁寧に手術できた( 一部始終を目撃した患者=私自身の印象)
④手術後の入院個室療養が効果的だった。仰臥姿勢徹底で、内皮を内側からのガス抑えが徹底・効果的であり、術後カンファレンスケアが毎日きめ細かく行われた。
【結論】
奇病・難病手術は「医療スタッフ、設備の整った大学病院で受けるべし」
【角膜内皮 再移植手術の経緯】 4月22日記
3月17日角膜内皮移植手術を受けたあと剥がれが発生し手直し等手を尽くしましたが剥がれは広がり、実皮と内皮間に水が溜まり抜けないため、再度米国角膜バンクから角膜を取寄せて、日大病院入院して6月4日移植手術をやり直すことになりました。
私の病名は「角膜内皮ジストロフィー」、国内1年間で1名しか症例がない奇病で、大阪大学病院の西田幸二博士を代表とする5大学が研究体制を構築し、2032年3月末までの治療研究を行っています。私もその貴重な研究材料となるため協力依頼され、快く同意書署名しました。日本一の名医から治療を受けるだけでなく、希少な眼病治療・医学の進歩に協力できることは、不幸中の幸いと、むしろ感謝しています。
【角膜の構造】
厚さ 0.5mmの角膜は、更に5層に分かれています。私の病気は、この一番内側の角膜内皮細胞が壊れていく珍しい病気です。
【角膜移植の全層移植と内皮移植】(私は内皮移植)
従来日本では5層全部を取り換える「全層角膜移植術」でした。しかし新たな角膜を糸で縫合するため術後乱視となり視力が落ち、また5層の細胞が拒否反応を起こしやすいため、最近は内皮層のみを移植する「角膜内皮移植術」が主流となっています。この手術は視力が落ちず拒絶反応が出にくいなどの利点があります。ただし角膜穿孔や円錐角膜、晩期の水疱性角膜症などが発生し、内皮移植では角膜の機能回復が期待できない場合は「全層角膜移植術」を行います。
【角膜内皮移植手術】
新たな内皮はコヨリ状に丸め、角膜に開けた細孔から挿入し、前房内でシート状に広げ角膜本体に貼り付けます。そのままでは剥がれるのでガス体を入れて内圧をかけてしっかりと押し付けます。内皮を完全にくっつかせるために「1週間以上仰向け」が必要となります。私は名医の林先生(日本大学病院助教授で 浦和中央眼科に週1回の当番医を受託されている)からこの手術を受けました。
【手術後の内皮剥がれ】
私は手術数日後、移植内皮の末端が剥がれていることが分かり、8日後の3月25日船橋中央眼科(S先生)により再度眼圧60までガス封入を行いました。しかし1時間後効果を確認すると、逆に剥れが広って空気が入り込み、剥がれが2/3ほどになっていましたので直ぐガスを抜き、3月30日に浦和中央眼科で林先生の処置を受けることになりました。この間普通に生活することを許されました。そして当日林先生が確認すると4日間で自然に内皮60%が再密着していました。
内皮細胞は角膜全体の水分コントロールの機能を受け持ち、通常全細胞2,000個の内、1/4の500個が角膜実質層に密着していれば問題ないので、このまま様子を見ることになりました。
「ヤレヤレ、これで一安心」と思ったのも束の間、その5日後千葉中央眼科主治医のS先生が角膜断層写真を確認すると、再び剥がれが広がり、中央部の実皮と内皮の間に空間ができて水が溜まっているのが分かりました。そこで4月7日3度目の浦和中央眼科で林先生により「内皮を再密着させる再手術」を受け、暫く様子を見ることになりました。
そして1週間後、状況は改善されておらず、中央部の剥がれは改善されず、再び中央部の実皮と内皮の間に空間ができて水が溜まっているのが分かりました。内皮細胞そのものは2,000個のうち1,900個は健全だという事ですが、「剝がれやすい内皮だった。新たな角膜内皮による再手術が必要」という事で、再度米国アイバンクから角膜を取り寄せて再手術となりました。今度は万全を期し、日本一の腕を持った林助教授の「日本大学医学部付属板橋病院」に入院手術です。最高の医師・スタッフ・設備等が万全な医療体制で、安心して 「大船に乗った気持ちの俎板の鯉」になってきます。
私の疾病「フックス角膜内皮ジストロフィー」は、国内1年間で1例しか症例がない原因不明の奇病です。阪大・日大病院など5大学が研究体制を構築し、2032年3月末までの予定で治療研究を行っており、私はその貴重な研究協力依頼されたので快く同意書署名しました。
歳を取るとあちこちガタが出たり、悲しい知らせが多くなりますが・・、今回は大学病院で日本一の名医から治療を受け、希少な眼病治療・医学の進歩に協力できるため、不幸中の幸いと感謝しています。
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