2024年11月7日木曜日

1-6. キャリア戦略にSWOT分析

 企業経営戦略で最も多く使われている 『SWOT分析』 は、ビジネスマンに必須のスキルで、個人の能力開発や、就職活動にも強力な武器となります。 また自己分析および自己アピールに使えば、『世の中のニーズにマッチした能力開発や、納得性・説得性ある自己紹介・アピール』 が可能となります。

 現代社会は変化が激しく、将来予測は益々困難になってきています。
 しかし座して悲観したり不平不満ばかり言っても事態は悪化するばかりです。 与えられた厳しい条件はみんな同じであり、如何に自分の強みを生かし弱点を克服して困難を乗り越えていくのか、その努力の過程で人は成長し、自分の人生を充実感のある豊かなものにする事が出来ます。
しかし私達に与えられた時間は有限ですので、事の軽重判断をしっかり行い、優先順位を間違えないようにしないと、時間は情け容赦なく過ぎ去っていきます。  しっかりしたキャリア戦略=能力開発計画が必要な由縁です。
これは会社や組織団体、自治体・国も全く同じです。 
しっかりした経営戦略のない企業は、糸の切れた凧のようにアッという間に没落・倒産します。従って就職活動の企業調査で真先に確認すべきは経営理念・経営戦略です。

1.SWOT分析とは
自分(自社)の内部環境(強味と弱点)と外部環境(機会・脅威)とをマトリクス表で抽出して出来る4つの象限で戦略を練る手法。  当然取組むべき優先順位は、①積極的攻勢、②差別化戦略、③弱点補強、④防衛策or撤退 です。
(1) 強味(Strong)   ・・・・自分(自社)の強味
(2) 弱味(Weakness) ・・・・自分(自社)の弱み
(3) 機会(Opportunity)・・外部環境で自分(自社)のチャンスとなる点
(4) 脅威(Threat)     ・・・外部環境で自分(自社)の脅威となる点



2.英米語学科1年生の 『大学生活充実SWOT分析』 例
   普通、英米語学科には英語の得意な学生が進学してくると思いますが、1年開講時に、『英語が不得意な人は挙手しなさい』 と訊くと、毎年20~30%位の学生が手を上げます。 こういう学生に英文を読ませてみると、『なるほど!これはTOEIC300点以下だ』 と納得します。 彼等が英米語科を選んだ理由は、『英語が不得意のままだと就職に不利、就職後も苦労すると聴いた』 と答えます。 自分の弱点を認識していますので、4年間頑張ればきっと弱点を克服して英語が得意になると思います。 
ただ、その為には、しっかりしたビジョンを持ち、能力開発戦略・計画を立てて毎日地道な努力を積重ねていく事が重要です。 次の表は、あるグループが作成したSWOT分析です。


3.バイオ学科1年生の 『大学生活充実SWOT分析』 例
山中伸弥教授、大村智教授と、2人のノーベル賞学者を輩出し、これからも増々期待される新技術分野で全国から沢山の優秀な学生が集まっています。 彼らに共通するのは、動植物が大好きで、生き物の命を大切にする心の優しさです。
将来ビジョンは、『医療・薬品分野、食品・農業分野、化粧品開発で 社会に役立つ研究開発の仕事に携わりたい』 であり、こういう素晴らしい学生達に講義できることは、講師冥利に尽きます。 次は、バイオ学科のグループ学習で作成したSWOT分析です。

このように、頭の中で将来計画をあれこれと考えても中々考えが纏まらない時に、SWOT分析を使って 『自分の強味、弱み』 を列挙し、外部環境の 『チャンス、脅威』 を抽出すると、取り組むべき重要課題、優先順位が明確になり、実行努力の力強い一歩を踏み出す事が出来ます。 また一度SWOT分析したものを、友人・先輩・先生の提示して違った視点で意見を貰い、更に、毎年実行・到達状況を確認して見直せば、より有効な戦略となり、ビジョン達成に近づきます。 

読者の皆さんも是非気楽に、夫々の分野・立場で自分のビジョン、目的目標を題材にしてSWOT分析に取組んでみて下さい。 SWOT分析が出来たら、次はタイムスケジュールを入れたロードマップを作って実行に移し、人生の充実、自己実現に役立ててください。

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