1.ライフ・キャリア・レインボー
『社会人として職に必要な能力や態度』は、就職後も絶えず努力し向上させていくことが求められます。
また会社の中だけでなく、一般社会人として家庭人としての成長も求められ、定年で会社生活を終えても生涯を終えるまで『社会人として必要な能力や態度』の維持向上は必要です。アメリカの心理学者
ドナルド・スーパーは、『職業的発達段階理論=キャリアは生涯を通じて発達する』に着目し下のイメージ図 『ライフ・キャリア・レインボー』 で分かり易く示しました。
これによると人生は大きく 『8つのステージ(キャリア・パス) 』 で構成され、年齢に応じた『5つの発達段階』 に分けられます。 中でも 第2期 探索期(16~25歳)は、6つのキャリア・パスが新規スタートする大変な時期で、まさに心理学で言う『疾風怒濤の時期』となります。 特に18歳で就職する高卒社員は、心の準備も不十分なままに職業人として早期成長を求められ、社会人としても厳しい自己変革が求められる為に大きな心の負担となり、ストレス症で悩む人や入社1~3年で退社する人の割合が高くなっています。
人間は機械ではなく、心のひだが柔らかい繊細な生き物ですから、それぞれの発達段階にふさわしい適切な教育訓練、職場環境の整備、職場指導が必要です。
また一人一人が人生の目的意識をしっかりと持ち、現在の発達段階を適切に把握して、自分を見失わず、周囲に踊らされず、階段を一歩一歩登るような地道な努力を積重ねることが一番大切です。
若手を指導する先輩も、一生続く発達段階を意識して自らのキャリア開発を続け、後に続く若手後輩のキャリア開発に対して適切な指導・支援をしていく事が自分自身のキャリア・人生の充実に繋がります。
2.元気度イメージライン
私達の心の状態は、目で見ることはできません。
また自分では、いつも元気だと思っても、人間関係や周囲の環境によって、知らず知らず活力を失い病気寸前になっている場合があります。そういう心の状態の変化を可視化できるのが『元気度イメージライン』です。私の会社の『30歳代・40歳代・50歳代の節目研修』では、強味‣弱みの分析と、それまでの元気度分析を行って振り返り、それからの10年20年をどう生きたいかを考えることを主軸にしていました。
この経験をもとに、3つの大学で担当した大学1年生のキャリア教育でも、最初に元気度を作成してもらいました。そして驚いたことは、殆どのが学生が20年足らずの人生で、既に2~3回の深刻な落ち込みを経験していたことです。個別に落ち込みを確認すると、親子関係や学校でのいじめに起因するものです。
本来、自由に伸び伸びと学び、バイトし、仲間を作って、最期の学生生活を謳歌するはずの大学生が、目に力がなく、大人しく暗いイメージである原因がここにあると理解できました。
キャリアレインボーの第一段階(0~15歳)は、本来次の段階で活力の源泉となるはずの「家庭での親子関係、学校での教師・友人関係」です。この自我形成の重要な時期に、2~3回の深刻な落ち込みがあり「殻を閉ざすことが自分を守る唯一の手段だ」と思い込んでいる若い心は、何と痛ましく悲しいことでしょう! この心の殻をまず開放して、学友との交流がとても楽しいことだと体験させることが、私達のキャリア講師の一番の使命でした。
みなさんの周りに元気のない若者がいたら、是非下の「元気度イメージライン」を書いてもらって、それを元に悩みの源泉を聴いてあげ『打開方法や現在・未来を明るく前向きに生きる手立て』などを一緒に考えてあげるようにお願いします。それが日本の若者を元気にする第一段階だと痛感します。
また是非、ご自身の元気度イメージも描いてみてください。きっと新たな気づきがあり、これからの新たな課題が見つかると思います。
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