2026年11月2日月曜日

16. 羊蹄山と京極吹き出し公園

  今回は北海道を象徴する後方羊蹄山(しりべしやま)と、その麓にある『京極吹き出し公園』を紹介します。「吹き出し公園」はあまりよく知られていませんが、富士山で言えば「忍野八海」や「柿田川」に相当する、羊蹄山の伏流水が湧き出す絶景で地元の方々自慢の名勝地です。

 羊蹄山は別名蝦夷富士と呼ばれる均整のとれた美しい成層火山です。アイヌ語でマチネシリ「女山」、マツカリヌプリ「後方に対なす山の片方の山」と称され、近くの尻別岳のピンネシリ「男山」と夫婦山です。山麓を流れる尻別川から転化してシリベシ(水際の険しい川)山の名称もあります。・・このあたりは豪雪地帯で、冬 直径700mの巨大なすり鉢状の火口には数十mの積雪がありますが、雪解け水は火口湖を作らず伏流水となって麓から湧き出します。その一つがこの『吹き出し公園』で、素晴らしい景観を生み住民の方々の憩いの場となっています。晩秋には私たち夫婦も大好きな憩いの場でした。

1.    冠雪した後方羊蹄山

まるで日本一の富士山と見まがう美しい山です。

2.   真狩登山口からのダテカンバの変化 


登山口から1合目、2合目・・と登っていくとダテカンバの様子が変っていきます。段々枝が押し下げられていきます。やがて8合目あたりから地表にへばりつくようになります。羊蹄山の積雪が如何に厳しいかを植生が物語っています。

3.    羊蹄山の山頂火口

遠景ではわからないですが、頂上は「母釜、子釜」を加えた3つの火口があります。

私は真狩コースを登り下山しました。下山途中、約10人の中高年女性パーティに出会いました。その中の一人が急性高山病で動けなくなり、唯一の男性ガイドが背負って下山しようとしていました。しかしかなり太った女性を背負ったガイドは立ち上がるのがやっとでした。 「携帯の電波が届かないので救助連絡が取れず、とにかくガイドが背負って下山するしかない」という過酷な状況でした。私は何もできず(途中交代で背負うなどとてもできそうにない重量級の女性だったので・・)「先に降りて救助連絡をします」と伝えて下山しました。・・あの後どうなったのかはよくわかりませんが・・

私の山歩きは、こういうことを恐れていつも単独行です。最近女性だけの素人登山も増えているようですが、2,000m近い高山登山は止めた方が良いと思います。もし登るときは、万一の時の連絡方法などの備えが絶対に必要です。

4.羊蹄山の巨大な火口

富士山頂火口とほぼ同じ規模で、直径700m、深さ200m、一周は5kmもあります。私が真狩コースから登頂した時は、5kmの御鉢巡りをする体力が残っておらず、もう二つの可愛い火口『母釜、子釜』を巡って下山しました。富士山火口の荒寥とした世界と違って、すり鉢火口内にも植生は進み、見事な草紅葉で彩られます。

5.倶知安ひらふスキー場側から登るコース


毎年『羊蹄山マラソン・コース』として使われている、厳しい直登コースです。こちら側は、私たち夫婦は麓の火口湖「半月湖」の紅葉絶景を楽しむのが精一杯でした。ヒラフコース、真狩コースいずれにしても、ただひたすらの直登々山で疲れやすいので、途中休憩を頻繁にとって「ゆっくり登山」が必要です。

6.京極 吹き出し公園

公園の向こうに美しい羊蹄山が聳えています。いつ見ても、ずっと眺めていても飽きない絶景です。

あたり一面が紅葉している林の奥側から、突然大量の伏流水が湧き出しています。

コンコンと、というよりもザーザーと大量に湧き出す伏流水。降り積もった大量の雪が解けて、全て羊蹄山にしみこんで、あちこちで噴出しています。その中でも、この「京極吹き出し公園」は最大のものです。また伏流水を満々と蓄える「公園の池」に心和みます。

吹き出し口の滝の前には、散策橋が設けられており、色々な角度から「滝と紅葉のコラボ」が楽しめるようになっています。また20リットル缶で、この清涼な伏流水を持ち帰る人も沢山います。
「これでご飯を炊いたり、コーヒーを淹れると美味しいんだ!」

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